レイジの脚もずいぶんと回復し、弟妹たちとの隔離生活からも解放されました。
きっと、ずっと楽になるに違いないと思っていたのに
思っていたのにー!
前より忙しいってどゆこと?
なあ、ユウちゃんよ。

あなたのせいですよ!
以前から何度も何度も、レイジとユウマは仲が悪いと言っておりますが
最近のユウマの態度ときたら、そりゃーもう酷いもんなんでございます。
レイジの姿が見えたとあらば、わざわざ間近に行って睨みつけ
レイジの声が聞こえたとあらば、負けじと大声を張り上げ対抗するという徹底っぷり。

寛大なレイジ兄さんは、しばらく見て見ぬフリを決め込んでましたが

あまりのしつこさに最近は少々キレ気味です。
でも四六時中こんな様子かと言うとそうではなく

ちゃ~んと人を見て己の行動を制御しているあたりが小憎らしい。
家にわたししかいない時は、ぜーったいに喧嘩なんてしないのですよ。
その時ばかりはユウマの態度も
「レイジ君はソファで寝られるのですか。じゃボクは床でー。」
てなもんで、非常に柔和。
なぜなら
「お前、床で寝ろや!」
という態度を取った瞬間に、わたしの口から世にも恐ろしい
「おるぁああああっ!」
という声が発せられるから。

効果てきめんです。
あの恐ろしい声を聞くくらいなら、レイジと仲良くした方がマシと思っておるのでしょう。
ユウマのよろしくない行動を放置すれば、いずれはキレたレイジがユウマに飛びかかるに違いない。
時には心を鬼にして、厳しい態度を示さなければ!と思っているのだけど
どーーーしても、この 「おるぁああああっ!」が言えないのが父ちゃん。
いや、一応ね、注意はしてるんですよ父ちゃんも。
やめんかい(はぁと)
みたいな感じで。
時々は床をバンバン叩きながら激しく注意したりもするんですよ。
やめんかーい(はぁと)
みたいな感じで。
そんな事を言われて、ユウマがね

やめるワケがありません。
そんな語尾にハート付けたような言い方が通用すると思っとるのかね。
もっと腹に力をこめて
おるぁああああっ!だよ
父 「おるぁー」
声が小さい!オルァアアアアアアッ!
父 「お、おるぁあああ」
まだまだー!ゴルァアアアアーッ!
父 「ご、ごるぁああああっ! ウフッ。」
照れるな!
と、しばらくおるぁー講座をしたものの、何が可笑しいのか、自分で発したおるぁーに
自分でぶふふふっと笑い出すため諦めました。人間、向き不向きってあるよね。
にしても、最近のユウマのこの我侭をいかがしたものか。

妹たちが相手なら、一言も文句を言わないどころか、言われても言い返せない男なのに。
思うにレイジの隔離生活中、1階で思う存分父ちゃんを独占できたせいなんでしょうね。
父ちゃんが自分に甘いとよーく分かっているのです。
実は4兄妹全員に甘いのだけど、おめでたいユウマさんは、自分にだけ♪と思っているのです。
よって父ちゃんがいる間は、わたしの怒声もまったくもって効果なし。以前は止まってたのにー。
もういっそ、キレたレイジの一撃食らってギャフンと言わされりゃ大人しくなるんじゃ?とも思うけど
片や靭帯断裂、片や心臓病を抱える身となった今ではそれも恐ろしい。
苦肉の策ではあるけれど、喧嘩ができない状況に持っていくよりほかないか。
というわけで、現在、父ちゃんの在宅中のみ隔離生活というひじょーに面倒な暮らしをしています。
父ちゃんが帰宅したらすかさずレイジ、ユウマのいずれかを2階へ。
1階に残った3兄妹にご飯を食べさせ、散歩を終えたらレイジとユウマを交換。
またまたご飯を食べさせ散歩に出ます。
で、最後に2階に残っているレイジもしくはユウマ(日替わり)はそのままわたしの部屋で就寝するという
日替わりでわたしと朝まで過ごせる特権を与えているというのに
「今日は2階で寝る日ですよー」と声をかけると、ユウマは決まって

心底いやそうな顔をします。
でも、いざ2人きりになったら、先ほどのユウマは幻だったかと思うほど甘えてくるのですよ。
父ちゃんがいないと、非常に弱弱しいユウマさんなのです。
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おかげでレイジ兄さんが2階のトイレを使えるようになりました。
ユウマの臭いをことごとく消し去っています。